第57章 MV撮影
「まだ、騒ぐほど大きい事にはなってないけど、あけぼのテレビのパーティーの時に会った人覚えてる?」
「ももりんに話しかけてきてた、怪しい人?」
「みんなにも、これからは注意してほしいの」
「僕らも今、情報集めてるとこだから絶対ではないけどね」
「あの人は、月雲 了って言って、ツクモプロの息子で今の社長の弟なんだ。大和が心配してたスキャンダルを嗅ぎ回ってる。千葉サロンも含めてね。たぶん、星影から潰しにかかってるんだと思う」
「まさかっ!」
「そう決まったわけじゃないけど、その可能性が高い。千葉サロンが暴露されたら、星影は本当に終わりだ。そうならないためにも大和くんには今のうちに和解してもらいたい。僕らが言うよりも、息子に言われた方が志津雄さんも話を聞いてくれるだろうし」
「君たちもツクモと星影所属の人と共演するときは気を付けて」
「星影もなんですか?」
「星影にスパイがいる。今誰なのか探ってるとこ」
「こっちも、ツクモと星影にスパイはいるからその内見つかると思うよ」
「なんで、そこまでしてくれるんですか?」
「三月くん、何言ってんの?姉ちゃんたちは、自分達Re:valeと俺たちを守るためにしてくれてるんだよ。百くんと千くんにお世話になったでしょ?ただの後輩にそこまでしてくれないよ?」
「悠斗・・・そうだな!俺たち1番お世話になったんだ。俺たちも協力しますよ!」
「君たちは何もしなくていい。そうだな、七桜と共演するときだけ離れずにいてほしい。どうやら、七桜を狙ってるみたいだからね」
みんながそれくらいなら全然します!と言ってくれる。
「大和くん、今電話してみたら?こういうのは勢いにのったほうが話は進む。暴露の話はしなくていい。ただ、息子として話して親子に戻ればいい」
「大和も本当はそうしたいってずっと思ってたよね?」
「・・・はい。あんなでも一応、俺の親父だから・・・」
「大丈夫。仲直りできるよ。大和の話してるとき嬉しそうにしてたよ」
そう大和に声をかける。
震える手で電話をかけ始めた。久しぶりに父親と話す大和は少し気まずそうだったけど、顔はちょっぴり恥ずかしそうで、嬉しそうだった。今度、家に遊びに行く約束をしたと聞いて安心した。
こうして、大和の打ち明け話会は終わり、TRIGGERと一緒に寮を出た。