第57章 MV撮影
千の映画撮影もクランクアップが近づく中、MVの構成ができあがってきた。事務所に3人揃って資料をもらって見る。
千は映画と同じ犯罪心理分析官、百は爆破を企む犯罪者。私はどっちとも絡みがある情報屋。
「うちの役って、どっちとも裏切ってるし1番悪い奴じゃない?」
「確かにそこだけ見るとそうだけど、最後のシーン見ると犯罪者側っぽくない?」
「モモが僕に撃たれるのに気付いて庇う。僕を人殺しにしたくないための行動かもしれない」
「みなさん想像力が豊かですね。監督の狙いはまさにそれごです!」
「へぇー2人とも凄いね!演技パートとダンスパート、演奏パートもあるって事は、3人でやるの?」
「そうですね。結構バンドでやるのも評判いいので入れようということになりました。担当する楽器はだいたい決まってますしね。これから練習もありますから頑張りましょう!」
「ユキと戦闘シーン・・・ちゃんとできるかな。間違って蹴ったりしたらどうしよう・・・」
「モモはこれ本当に飛ぶの?危ないからスタント用意しよう!」
「大丈夫だよ!俺はやってみたい。そしたら役の幅も広がるかもしれないし!スタント俳優みたいな?」
「モモがそう言うなら・・・何度も確認はするからな?」
「そう言えば、大和くんたちはどうしてますか?」
「あぁ、今度はお互い意地張ってるみたいで先に帰るって言うまでは帰らないって言ってる。今日辺り話してみようと思ってる。思ったより長引いてるよ」
「三月も寮のご飯心配してた。悠斗ができるからまだいいけど、1人に負担かけるのもって。壮五のご飯はめちゃくちゃ辛いから危険らしいし。七桜も何度か作りに行ったし、マネ子ちゃんも手伝いに行ってるんだって」
「環も手伝って悠斗と一緒に作ってたよ。あの2人本当仲良いの」
「環くんが悠斗にベッタリって感じだよね。そろそろ僕も1人になりたいよ・・・」
「お疲れ、千!」
「一緒にジムに行こう!体力作りしに。戦闘シーンもあるんだしさ」
「ジムね。そうね、少し体動かして発散しようかな」
そう言う千にビックリする。
「まさか行くっていうと思ってなかったから」
「モモと暮らしてた時は全然感じなかったけど、今大和くんがいるから少しストレスがね・・・他人がいるって大変だね。かといって、1人にしておくわけにもいかないでしょ?」