第2章 違和感
私が6歳の時、母の妹が亡くなり、家族でお葬式に参列することになった。
親戚との関係は良好で、亡くなった叔母さんとは小さい頃に一度会ったことがあるらしいが、記憶には残っていなかった。
【小鳥遊 結】
叔母さんの名前を聞いて、どこかで聞いたような気がした。
(親戚だから名字くらい聞いたことがあるはずだけど…でも、なんだか引っかかるな)
小鳥遊 音晴、小鳥遊 紡…叔父さんと従姉妹の名前にも似たようなものがあり、頭の中の記憶と重なる気がした。
その思考にふけっていると、クラッと目眩がしてフラついてしまった。
「七桜ちゃん、大丈夫かい?」
「叔父さん…」
「顔色が良くないね。お葬式長かったから疲れちゃったかな。少し休もう。」
優しい叔父さんに抱き上げられ、部屋へ運ばれた。
「お手伝いしてくれてありがとうね。紡も寝ちゃったから、一緒に休んで。」
「紡ちゃん、可愛いね。」
「七桜ちゃんはお姉ちゃんだから、紡がもう少し大きくなったら遊んでくれると嬉しいな。」
「うん!遊ぶ!」
その後、叔父さんに寝かしつけられて、いつの間にか眠りに落ちた。
葬式が終わった後、家族と親戚との交流は増えていった。
叔母さんが亡くなった後、紡を一人で育てるのは大変だろうと、母と一緒に遊びに行ったり、逆に小鳥遊家が我が家に遊びに来たりもした。
叔父さんと紡も打ち解け、紡は私に懐いて仲良くなれた。叔父さんは私を自分の娘のように可愛がり、家族が1人増えたような気がして嬉しかった。
それから少し経ち、春沢家に新しい家族が増えた。私の弟が生まれたのだ。
名前は悠斗。
6歳年下で、紡の1歳年下になる。
初めて見る赤ちゃんに、紡は戸惑いながらも嬉しそうにしていた。
私たちは、従姉妹というより、3姉弟と呼ばれるようになり、私は初めての弟が可愛くて進んで面倒を見ていた。紡もそれを見て喜んでいた。