第10章 万の上京
万は高校を卒業すると、予定通り上京するため引っ越しをした。
千は当たり前のように万の家に行ってるみたいだけど、学校にはちゃんと行ってるんだろうか...卒業できんのかな...
私は受験だから高校選ばないといけないし、勉強も頑張らないといけない。
活動拠点を移したことで生活にも変化があった。
ライブは基本私が次の日学校休みの日のみで、その日は小鳥遊家に泊まる生活になった。
お父さんが迎えに来てくれる日もあるけど、事情を知った叔父さんが家に泊まるといいと言ってくれた。
音晴叔父さんはどこの高校がいいかとか相談にものってくれる。
優しいけど、お父さんほどではないけど...ちょっと過保護なところもある。
そんなところも好きではあるけど。
「おじゃましまーす」
今日はライブがあったからお父さんと小鳥遊家にお泊まり。
「音晴、毎回七桜が世話になって悪いな」
「いいんだよ、紡も喜んでるしね。七桜ちゃんも色々手伝ってくれるし、僕も助かってるよ」
大人は大人同士で話し始めたから、子供は子供同士で。
紡は本当に可愛いなぁ。つい頭撫でちゃう。
こんなに可愛いってマジで正義だよね。
「七桜ちゃんのライブ何回か見たよ。本当、凄いね」
「見に来てくれたの?教えてくれたらいいのに」
「内緒で見たかったんだ。また見に行くよ。僕もRe:valeのファンだから」
叔父さん、ありがとう...ファンって言ってもらえて嬉しい。
「七桜ちゃんも大変でしょ?行ったり来たりして」
「まぁ、でも楽しいよ。2人も一緒だしね」
「高校はどうするか決めたの?何校かに絞ってたけど」
「うーん・・・学力はなるべく下げたくないけど、校則厳しくない方がいいな。ライブもあるし」
「七桜が1人暮らしするって言うんだよ。でも、高校生の1人暮らしはやっぱり心配だしな。俺も仕事こっちだから一緒に住もうとか考えたりしてんだけどさ」
「えぇ?絶対ヤダよ!お母さんと悠斗どうすんの?2人であの家に住むの?」
実際、悠斗はまだ小3だしお母さんと2人だけは心配だよね。
お母さんも大変だろうし、悠斗も寂しがるよね...
あのくらいの年齢はお父さんとも遊びたいだろうし。
「じゃあ、いい提案があるんだけど・・・」
叔父さんからある提案を持ちかけられた。