第49章 Re:vale 5周年記念ライブ
あの日から、百は少しずつ元気を取り戻した。
それでも気になっちゃうみたいだけど...そりゃ当たり前だよね。
実際、歌えなくなってから私の家に住んでるけど、1度も手を出してこないし、一緒にお風呂に入っても触ってこないし...
(そんな気分じゃないんだろうけど・・・百らしくない・・・)
百は早速、おかりんに結婚の事を伝えるけど、まだ許可できませんと言われた。
「ヒドいよっ、おかりん!」
「今すぐには無理ですよ。させてあげたいとは思いますけど」
「なら、別にいつでもいいじゃない。せっかくするって決めたんだから」
「千くんも簡単に言わないでください。・・・そうですね、百くんはとりあえず引っ越しを少しずつ進めましょうか。自分で運べる荷物は運んでくださいね」
「おかりん!」
百はキラキラした目でおかりんを見つめる。
その時、楽屋に一織、三月、陸、ナギ、大和と悠斗がやって来た。
「どうしたの?」
「いらっしゃい」
「差し入れ、ありがとうございました。この前は言いそびれてしまいましたから」
「凄い美味しかったよ!」
「そうでしょ?」
「あの、今日は相談があって来たんです。俺たちとTRIGGERのシークレットライブなんですけど、中座じゃなく前座にしてもらえませんか?」
「僕たちはいいけど・・・」
「前座なんて、君たちに失礼じゃない?」
悠斗が気にしないから、それでもいいよねと押し切るように話した。
「いいよ。スタッフに伝えておく」
「あと、明日って夜、時間ありますか?」
話しを聞くと、IDOLiSH7のライブがあるから見に来てくれないかって話しだった。
私は仕事あるから無理だけど...2人も仕事が入ってるみたい。
次は決まった段階で教えてくれたら、おかりんに調整してもらうと約束し、久しぶりにゆっくりと賑やかな楽屋だった。
「そういえば、さっき変な人に会ったんだ」
陸がそう話す。局内で変な人って...?
「息子の撮影見に来たって言ってたけど、何か品定めされてるような、そんな感じで見てきたんです」
その息子が誰なのかはわからないらしい。
「前に百さんが言ってた有名プロデューサーって誰なんですか?」
「俺はちゃんとは知らないんだ・・・」
「九条・・・九条 鷹匡だよ」
百が知らないのは当たり前で、変わりに千が答える。
九条...