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未来へ繋ぐメッセージ【アイナナ/Re:vale】

第8章 新生活



4月になり新学期が始まる。
それぞれが高3、高2、中2へと進級した。

万は両親が再婚することになり、家を出て1人暮らしを始めると言い出した。

(あぁ、とうとう千が入り浸るところか・・・)

それから、叩かれた事件以降から千に少し変化があった。

前よりも話しかけてくるようになったり、距離感も近くなった。
揉め事があっても万に任せっきりで我関せずだったのに、庇ってくれるようになった。
解決してくれるのは相変わらず万だし、揉め事を持って来るのは千なのか変わってないけど...

今までしてこなかったことを急にされると、こっちも戸惑ってしまう。
千の性格を考えると素直にありがとうって言いにくい。
だって、何かじゃくだし...私も素直じゃないだけだけど。

そう思って千を見ていたら目が合ってしまった。

「なに?人の顔ジッと見て」

「別に・・・」

千がこっちに向かってくると隣に座る。

「七桜、この前は僕のせいで叩かれてごめんね」

「えっ?どしたの、急に・・・」

「ちゃんと謝ってなかったから。痛かったよね、ごめんね」

そう言いながら、叩かれた頬を触れてくる。
そんな触れ合いしたことないし、千の顔が近くてつい顔が赤くなるのが自分でもわかる。

「そ、そんなこと思ってないでしょ?悪いと思ってないのにとりあえず謝るとかやめた方がいいよ」

そんなこと言いたかったわけじゃないけど、照れ隠しで出てしまう。

「なんだ、今度はこっちで揉めてるのか?」

万だ、助かった。

「この前のこと謝ったのに、七桜がそんなこと思ってないでしょって言うんだ。ヒドくない?」

「そう思われても仕方ないだろ。その時自分がとった行動思い出してみろよ」

「だからちゃんと謝ろうって思ったのに・・・」

(千、ちゃんと考えて謝ってくれた?)

「もういいよ。千もごめん。あの時のことはもう気にしてないし、たまたま楽屋に入る順番が最初だったのもあるし」

「七桜って結構サッパリした性格だよね。僕は好きだよ」

「そうだな。年齢の割には落ち着いてるし、お姉ちゃんだからしっかりもしてるしな」

「そうかな?」

うーん...やっぱり最近の千は少しおかしい。

顔の良さと無駄にある色気...
これでちゃんとした性格だったら好きになっちゃうよなぁ...
騙されないけどね。


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