第39章 新しい動き
ドラマの撮影が始まった。共演者ともまぁ、仲良くやれている。
問題児設定の役に少し不安があったけど、やってみると結構楽しい...元の性格が近いんだろうか、やっててスカッとすることも。
志津雄さんのお陰もあり、あの人はあれから変な目で見てこないし礼儀正しくもなった。
共演者と話しをしているとザワつく声が聞こえ、その方向を見ると百と千がおかりんと話しをしていて、Re:valeだと囲まれている。
「どうしたの?」
「制服、可愛い!」
「似合ってるよ。本当、高校生みたい」
千は笑いながらバカにして言う。
高校生みたいって褒めてないし、笑うために来たなら来ないでと反論してやった。
百はさっきは可愛いって言ってたのに、千は素直じゃないと話しながら私に抱きつこうとして、おかりんに止められていた。
「一体何しに来たの?」
「そろそろ終わりだろうと思って。次の仕事一緒だし、僕たちのレディを迎えに来たんだよ」
「レディって・・・思ってもいないことを・・・」
そう話してると、千を見かけた志津雄さんが挨拶に来た。
百は初めて会うから大御所感に緊張していたけど、千は慣れてるせいもあるのか堂々としたものだ。
「志津雄さん、七桜のことお願いします」
「わかっているよ。僕も遥人くんに怒られるのは勘弁だからね」
(ん?怒られるとは・・・?)
「あと少し今日の撮影頑張ろうね」
笑いながら去って行かれた...
「怒られるって、あの親父なにやらかしてんの?」
「七桜?口調が悪くなってるから!」
えへっととぼけたふりして、撮影再開の声が聞こえ行ってくると伝え撮影に向かった。
「ユキはなんで七桜に意地悪するの?」
「してるかな?」
無意識なのか?
「だって、楽しいから。それに怒ってる七桜可愛いし、それを止めてるモモも可愛いから」
「か、可愛いって・・・何言ってんだよ!」
「ちょっと!!そこ2人、うるさいんだけど!!」
「七桜に怒られた・・・」
うぇ~んと泣きマネをしてユキに抱きつくと、それを見てザワつくギャラリー。
七桜は呆れながら笑ってるけど、楽しそうだし、現場の雰囲気もホワッとしたものになった。
千葉 志津雄という大御所が味方になってくれてても、やっぱりいい環境で仕事してほしいもんね。