第6章 Re:vale正式加入
ある日、千がライブでは普通に弾いてるけど私がどの程度出来るのか見たいと言い出した。
確かにRe:valeの曲を弾くことは問題ないけど、自分がどの程度までやれるのか教えたことはなかったかも...?
「これから曲を作っていくうえで、どこまでなら出来るのか把握する必要がある。Re:valeの曲はもう全部弾けるみたいだし・・・そうだね。どの曲を何で演奏するかも自分で決めてアレンジできそうならそれも含めてやってみてくれない?」
(なんだって・・・?ハードル高くねぇですか・・・?)
「無理しなくていいから。千がハードル上げたけど、自分の好きなように弾いて構わないからね」
万はそう言ってくれたけど、そこまで言われてやらないのは何か違う気がする...
今の自分に出来る演奏、見せつけてやる!
日を改めて家に来てもらった。
あの日から、何をどの楽器で演奏するか、自分の実力を見せるにはどの曲がいいのか必死に選んで練習してきた。
今日はそれを見せつけてやる日。
ドラム、ピアノ、ギターは自信あるけど...ベースはまだちょっと自信ない。
ギターはお父さんが弾いてくれることになっている。
「じゃあ、やるか」
「うん」
どの曲も小さい頃から練習で演奏してきた。
簡単な曲から難しい曲まで色々な曲を。
アレンジだって前よりも出来るようになってる。
大丈夫、ちゃんとやれてる。
今できる全部を曲にのせてどうだ!と言わんばかりの演奏をしてみせる。
全ての楽器を弾き終わると、2人ともこっちを見てポカンと固まっていた。
(なに!?・・・どっかダメだったかな・・・)
「七桜ちゃんって、本当に凄い演奏するんだね!もうビックリして固まっちゃったよ!」
「これはちょっと・・・僕も予想外だったな・・・」
(よかったぁ。ちゃんと実力わかってもらえた・・・)
「じゃあ、凄い実力を持ってることも改めて確認できたことだし、これからもよろしくね!」
「よろしく。七桜」
今、名前呼び捨て...
「俺も七桜って呼んでいい?俺のことも万って呼んでよ」
「僕は千でいいよ」
「万、千・・・これからもよろしくお願いします」
「敬語も使わなくていいよ。年下とか気にしないからさ。メンバー内は親しい方がいいからね」
「そうね。僕も万に敬語使ったことはないし」