第38章 期待の新人
【TRIGGER】
今年、八乙女事務所からデビューした天が所属しているグループ。デビューしてからの勢いは凄くて、その年の新人賞を獲得していた。
出演が被ることがないから、天にはまだ会えていない。
そんな中それぞれの誕生日が過ぎ、私も成人を迎えお酒も飲める年齢になった。
今年はブラホワ総合優勝して、今日は事務所でお祝い会。
「みんな、おめでとう!よく頑張ってくれてるよ。今日は俺のおごりだから、どんどん食べろよ!」
「社長なんだから、それくらいしてくれないと困るよ」
「凛太郎、太っ腹だね」
社長はここぞとばかりにいい顔したいだけだと、おかりんは話す。私に嫌われたくないからと...
「ちょ、ちょっと!俺の七桜だから!いくら凛太郎でもあげないよ!」
「百くん、心配しなくても取ったりしません。社長は遥人さんが怖いんですよ」
「あぁ、そっちかぁ」
おかりんに言われて、百はホッとしたようだ。
「七桜、お酒飲んでみる?」
「飲みたーい!何飲めるかな?」
「初めてだから、飲みやすいやつがいいと思うから・・・この中だと酎ハイくらいかな。凛太郎、もっといいやつ用意してくれてもいいんじゃない?」
「すまん、ご飯に金かけすぎた・・・でも、ほらシャンパンあるぞ」
「それ飲もうよ」
凛太郎が開けてくれて、おかりんが人数分用意してくれる。
「じゃあ、Re:valeの活躍に乾杯!」
「カンパーイ!」
私は匂いを嗅いでから、口を付けてみた。
「うん、美味しい!」
「初めてだから、ゆっくり飲むんだよ?シャンパンは意外と度数あるから」
「わかった」
初めてのお酒に気分が良く、ご飯を食べながらお酒も進む。
七桜、大丈夫かな?事務所だから多少寄っても大丈夫だけど、飲ませてみて、結構強いことがわかった...
けど、いったいどんだけ飲んだの?酔うとこうなっちゃうのか?
(これは、僕も耐えられる自信が・・・)
「ゆきぃ~、抱っこぉ~」
顔を赤くして、抱っこしてとくっついてくる。
「ちょっ、七桜!そこはモモちゃんに抱っこでしょ?」
「ゆきがいいの!」
酔ってるとわかってても、そう言われると嬉しい気分。
「七桜、ほらモモがいじけちゃうから、モモのとこ行きな?」
「ゆきは、うちのこと嫌いなの?」