第37章 冠番組
見ないでつけっぱなしだったテレビとレコーダーの電源を消して、寝室に行き布団に入る。
「2人で寝ても、全然余裕だね」
「そうだね」
「体、痛くない?初めてなのに、2回もしてごめんね?」
「少し痛いけど、平気だよ。2回って言っても、お風呂ではしたわけじゃないし・・・」
「はは、そうだけどさ。俺、今超幸せだなって思ってたんだよ!自分の初めてが超大好きな人だし、その人の初めてもらえたし・・・もっともっと好きになっちゃう!」
「大袈裟・・・でも、ちょっとわかるかも。うちも百がずっと好きだったから、嬉しい・・・百は経験あるのかなって気になってたから・・・」
「そうだったの?童貞でよかったーって言い方は変かな?自分でも遅いとは思ってたから。でも、こういうのはちゃんと好きになった人としたいでしょ?」
「百は高校のとき彼女いなかったの?キャプテンだしモテたでしょ?」
「あぁー、居たけど続かなかったな。1番はサッカー優先だったし、正直好きってよくわかんなかったんだよね。女の子として、友達としてとか、人としてとか。周りも彼女居たし、なんとなく付き合ってた」
「そうなんだ」
「まぁ、そんなんだったから何も経験ないの。知識はあるけど」
「なんで知識だけ?」
「男ってそんなもんだよ?ほら、もう遅いし寝ようか。起きてたらまたしたくなっちゃう」
「え?」
「大丈夫もうしないから。本当はしたいけど、初めての日に無理させたくないから」
「初めてじゃなかったら、もっとするの?」
「そういうわけじゃ・・・でも、しちゃうかも・・・?ふふ、ユキにはバレないようにしないとな。でも、難しいかなぁー」
「百が言わなきゃわかんないでしょ?」
「そうじゃなくてさ、経験すると、自分では気付かないけど、色気っていうか、大人になった感じってでちゃうみたいだよ。ユキは敏感だから気付きそう」
「うーん、それはしょうがないか。付き合ってるんだし、そういうこと普通するでしょ?」
「そうだね。俺もこの幸せを隠しておける自信はないよ」
「もう、寝る。疲れた・・・」
「だよね・・・おやすみ」
「おやすみ」
俺は七桜に腕枕をして、抱き寄せて眠った。
寝ると、七桜は無意識に俺にくっついてギュッと腕を掴んでくる。
その姿が本当に可愛い。1人暮らししてよかった。