第36章 1人暮らし
千はこの物件好きそうだな。
「リビングが広いですね。他の部屋はそこまでではないですけど」
「千はあぁ見えて寂しがりだから、実はみんなで集まってご飯とか好きなんだよ。可愛いとこあるよねぇ」
「そうですね。そう言えば、2人とも人数分のお泊まりセットは必須だと言ってましたね」
「必須って・・・」
おかりんと話していると、おはようと2人もやって来た。
「おはよう」
「七桜、早いね!昨日、結構遅かったのに」
「誰かさんと違って朝弱くないですから」
「ユキってば何回も起こしてるのに全然起きてくれないんだよ!」
百がぷんぷんして怒ってる振りをする。
(そんなんしても、可愛いだけだけど)
「布団から転がり出せばいいんだって」
「それができるのは七桜だけなんだって!」
「はい!そこまでです。これが百くんと千くんの物件候補になります。ちゃんと確認してください!」
「七桜のは?」
「うちのはここだって」
百は自分の物件と見比べてる。
「・・・同じ物件じゃなかった・・・」
「モモは七桜と同じマンションがいいって言ってたもんね」
「遥人さんからそれぞれ近い所でと言われているので、どこも割と近いですよ。歩いて行ける所もありますし。七桜さんはご親戚の家から近い場所と遥人さんに言われていて・・・遥人さんがここにと決めてしまったので・・・」
「なんか、すいません・・・」
お父さん、無理言ったんじゃないだろうか...
おかりん、苦労かけます...
「僕、ここがいいかな」
「どこ?」
千の物件を見ると、私が言った物件だった。
「やっぱり。千はここがいいって言うと思ったんだよね」
「いけない?」
「別にいいんじゃない?」
「百くんは気になる物件ありました?」
「んー、どこもだいたい近いんだよね?えぇっと・・・」
「七桜も一緒に選んであげたら?どうせモモは料理しないし、モモの家に行くのは七桜が多いだろうし」
「別に一緒に住むわけじゃないんだし。住むのは百なんだよ?百がいいなって思うところがいいでしょ」
「い、一緒に住む・・・」
聞こえてますよー...
「俺は、七桜とユキが来たときにキッチン使いやすいとか広い方がいいならそれで。俺できないし・・・」