第35章 初全国ツアー
「メンズの歩き方は少し違うのよ。基本的な姿勢は同じだけど、腰から足を出す感じとは違うのよね。ちょっとやってみるから見てて。まず、違いがわかるように女性からやるわね」
そう言って、女と男の歩き方の違いをお手本で見せてくれた。
「へぇ、全然違うんだね!俺、ちょっとやってみる!」
百は同じように歩いて見せて、目が合うとウィンクしてきた。
せっかく格好いいなって見惚れてたのにな...
別にふざけてても格好いいんだけどさ。
「上手!全然いけるわ!さ、やってみて?」
千も百と同じように真似て歩いてみる。
千も結構さまになってるじゃん。
スラッとしてるし似合うとは思うけどさ。
「ユキ!格好いいよ!超イケメンだよー!」
百は興奮気味に千の元に駆け寄って話をしてる。
「みんな特に練習しなくてもよさそうね!私の出番はないみたいです。Re:valeに会えて得しましたよ。でも、先輩の娘さんがRe:valeだって知りませんでした!もっと早くに知ってたらモデルの道にスカウトしてたのに」
「「それだけは辞めてください。俺/僕らのなんで」」
「フフッ!噂通り本当に3人とも仲良しなのね。大丈夫よ、取ったりしないから!でもモデルの件は考えてみてちょうだい!マネージャーさんに話はしてみるわね」
考えてみてと言って爽快に帰って行った。
「お母さん、ありがとう」
知り合いに頼んでくれたことにお礼を言う。
「いいのよ!それよりツアーもあと少しで終わりでしょ?体に気を付けて、ちゃんとしっかり休むのよ!2人ともお願いね?もちろん2人もしっかり休むのよ?」
それからお母さんとも別れて、3人で帰る。
「それにしても、七桜の家はいろんな知り合いがいるね」
「本当だよね!遥人さんといい、幸奈さんといい凄い人と知り合いなんだもん!ビックリしちゃうよ!」
「うちも全然知らないよ?本当いつもビックリするもん!」
それもそうだ。
自分の親が誰と仲が良いのかなんて全員把握できているわけじゃないし、昔何をしてたかすら聞いてビックリするくらいだ。
お父さんに関しては、何も気にしないようにしている。
いちいち気にしてたらキリがないからだ。
誰かを紹介されたとしても、へぇ~そうなんだと思うようにしている。
百と千はそうはいかないんだろうけど。
そんなことを思いながら、それぞれ帰宅した。