第33章 誕生日とゴシップ
11月に入り、今日は百の誕生日会の日。
当日はできないからと、別な日にしたのだ。
年末が近づくこの時期はちょっと普段より忙しくなる...
年末年始の番組撮りや、私と千の誕生日が12月にあるのもある。
11月と12月だから誕生会は毎年一緒に1回でいいんじゃないかって話しもしたけど、2人が誕生日はちゃんと祝いたいと忙しくてもそれぞれの誕生会はやってきている。
それで百のプレゼントを選びに来たんだけど、何かいいのないかなぁ...
そういえば、この前小さめの鞄探してるって言ってたなと思って鞄屋に入って色々見てみる。
普段は荷物もあるから、普段使いのやつってことだよねきっと。
そう思って見てると、百に似合いそうなワンショルダーの鞄を見つけたから、それをプレゼント用に包んでもらった。
後は、自分でも欲しかった厄除けの数珠も選んだ。
百と千の分も一緒に。
早めに買い物が済んだから、ケーキの材料を買って千が待つ2人の家に向かう。
百は今日仕事でまだ帰ってこない。
「材料買ってきたよ」
「ありがとう」
千がケーキを作ってみたいと言うから、教えながら一緒に作る。
料理するようになってから、千は教えなくても作れるのではと思うくらい上手になった。
「これなら、次からは教えなくても作れそうだね」
「七桜と一緒に作るから意味があるんだよ。僕も一緒に作りたいし」
「はいはい」
無事、ケーキは出来上がり冷蔵庫にしまっておいた。
次はご飯の準備。
ローストビーフとサラダ、豆腐のハンバーグと野菜スープを準備してテーブルに並べていると、百が丁度良く帰って来た。
「ただいまー!美味しそうな匂い・・・」
「「百/モモ、誕生日おめでとう!」」
クラッカーを鳴らしてお祝い。
「ありがとう!うわぁ、めちゃくちゃ豪華なご飯!作ってくれてありがとう!美味しそう!」
「ほら、モモは手洗っておいで。食べよう」
それから、百の誕生会が始まった。
「うん!美味しい!」
喜んで食べる百を見て、千は嬉しそうな顔を見せる。
今日の仕事はどうだったとか、いつもと変わらない会話だけどそれが心地いい。
特別違わなくても、それでいいし、それがいい。
喜ぶ顔が見れたらそれだけで嬉しいもんね。
やっぱり、忙しくても誕生会はやった方がいいのかもしれないなと2人の顔を見て、改めて感じた。