第29章 Re:vale 再始動
リハビリのレベルを1段階上げてもらった。
大輝は厳しいけど、ちゃんと無理しない程度に予定を組んでくれている。
辛くても無理しない、焦りは禁物...今は大事な時期だから。
試しにどれくらい弾けるようになったか確かめてみようと、レッスン前にピアノとドラムを弾いてみることにした。
始めは軽くスローテンポの曲を...これは、痛くないな。
次は少しアップテンポの曲...うん、これも大丈夫。
次は少し難しいクラシックの曲...大丈夫だ、これだけ弾ければ。
次にドラム。
ドラムも同じように難易度を上げて叩いていく。
最後に叩いたロックは激しい曲にしたから多少痛みはあったけど、Re:valeにここまで激しい曲はないから大丈夫かな。
これで、大輝の許可が下りれば完治も同然だ。
「七桜さん、めちゃくちゃ格好いいです!」
「い、いつから聞いてたの?」
「実は、割と始めから・・・俺も何かできたらいいんですけど・・・」
そう言う百に、今からでもやってみる?と提案してみた。
この中だと、初めて触るならギターがオススメかな。
千も教えられるし、他にも教えてくれる人はいる。
「教えてくれる人が凄くて贅沢ですね。ギターって2人いてもいいものなんですか?」
「全然、大丈夫だよ。例えるなら、メインとサブで分けるって感じかな。うちも別な楽器弾けるし。ギターも種類あるけど、アコギとエレキがよく使われるかな。弾き方の違いはあるけど、コードは一緒だし好きな方選んでいいよ」
「アコギとエレキの違い・・・」
百が難しく考えてるから、2つの違いを実際に弾いて聞かせることにした。
実際に聞いて違いが分かったみたいで、さっそく基本的なコードを教えてみる。
「百の手は大きいからコードも押えやすいと思うよ。難しいって思うのは最初だけだと思う」
(思ったより、呑み込み早いかも・・・)
「じゃあ、うちと同じように弾いてみてね」
Re:valeの曲の1部をゆっくり弾いてみたけど、まだ少し早かったかな。
「大丈夫!思ったよりできてるから!今さっき始めたばっかりだり、続ければ上手くなれるよ。いつでも教えるからさ」
「宜しくお願いします!頑張ります!」
百はなんでも一生懸命に頑張るな...
でも、頑張りすぎてないか少し心配だよ。
無理、はしてないとは思うけど...
(百、楽しそう)