第27章 新生Re:vale誕生
「いい加減で、どうしようもなかった昔の僕を許してくださいとは言えないですが、これからも音楽を続けること許してもらえませんか。万のためにも僕は歌うと決めました。七桜ともう1人新しいメンバーと3人で音楽やること許してもらえないでしょうか・・・」
「私からもお願いします」
2人で頭を下げた。
しばらく、気まずい沈黙が続く...
万のお父さんも少し考えてるみたい。
「2人とも、頭を上げて。千斗くんのことは確かに許せない気持ちも正直ある。でも、万里が怪我したことは千斗くんのせいじゃない。こうして家にまで来てくれた。私も意地になっていただけみたいだ」
さっきとは違い、優しい顔で話を続ける。
「息子がいなくなったのには、きっと訳があるんだろう。千斗くんのせいにして、私が楽になりたかっただけだったんだ。すまなかったね・・・万里にはいつかきっと会えると私も思ってる。音楽やりなさい。千斗くんには音楽しかないんだろう?」
「ありがとうございます・・・」
千は涙を流しながら、そう言った。
「七桜さんも、今日は一緒に報告に来てくれてありがとう。昔のことは千斗くんが自分で気付かないといけないことだったからね。そうじゃないと、人は成長できないし、本心や心からの言葉は聞けないだろ?それをちゃんと聞けてよかったよ。2人とも新しいメンバーと一緒に3人で頑張りなさい。私も万里の分まで応援しているよ」
「「ありがとうございます」」
2人でそう言ってくれたことに感謝してお礼を言った。
その後は、持ってきたお菓子を出してくれて一緒に食べながら千が百に説得された話や、これからの活動のこと、新しいメンバーの百のことも話をした。
万のお父さんは、これからのRe:valeのことを楽しそうに聞いてくれた。
万のお父さんは、千に対して厳しかったけど人として成長してほしかったのかなと話を聞いてて思った。
確かに、昔の千は問題ばっかりだったけど...それでも、今は百のお陰もあり人の事を考えるようになった。
万のお父さんも、それがわかって嬉しかったんだと思う。
万のお父さんは本当にいい人だし、優しい人だ。
万はお父さんに似たんだろうなって思う。
「今日は来てくれてありがとう。これから、頑張ってね」
「こちらこそ、ありがとうございました」
千が挨拶をして万の家を後にした。