第27章 新生Re:vale誕生
万の家に行く日、当日。
千が家まで迎えに来て、万の家に向かって歩く。
「お土産買ってきたの?ごめん、僕何も用意してない・・・」
「大丈夫だよ。それに、1つあれば十分だから」
「それはそうかもしれないけど。僕が用意するべきだった・・・気が利かなくてごめん」
「いいよ、わかってたしね。千がそのことに気付いてくれたからいいよ。次なんかあったらお願いするね」
そうこうしていると、万の実家に着いた。
チャイムを押して待ってると、どうぞとインターホンから聞こえて中に招かれる。
普段、緊張しない千が緊張してる。
「大丈夫だよ。リラックス」
「そうね」
2人でお邪魔しますと中に入る。
「お久しぶりです。今日はわざわざ時間作ってもらってありがとうございます。これ、よかったら食べてください」
「わざわざありがとうね。そこに座って」
指された椅子に2人で座る。
千の緊張が少し移ってきて、うちも変に緊張しちゃうな...
万のお父さんが飲み物とお菓子をうちと千の前に置いてくれた。
「2人とも久しぶりだね。七桜さんは怪我の方はどうなんだい?」
「あと少しですかね・・・その後はリハビリです」
「そうか。けど、思ったより酷くなさそうだ。女の子だし大事にしないとね」
その言葉に千は顔を伏せてしまう。
「それで、今日はどうしたのかな?こんなところまで来るなんて」
私と千が一緒に行くって話した時点で、来た内容わかってるだろうに。
万のお父さんも少し意地悪だな...
千、大丈夫かな?と思って隣を見ると、緊張はしてるけど腹を括った感じの顔をしていた。
長い沈黙が続いて、千が口を開いた。
「改めまして。万里くんと一緒に音楽してました、折笠 千斗と言います。万里くんのこと、本当にすみませんでした。僕を庇ったせいであんなことに・・・僕のせいで万里くんがいなくなってしまってすみませんでした・・・」
少し泣きそうになりながら千は話を続けた。
「そもそも、僕が一緒に音楽やろうと言わなければこんなことにはならなかった。それでも、僕は万里くんと一緒に音楽を作りたかったし、一緒にやって本当によかったと思ってます。たくさん迷惑もかけましたけど、3人で一緒に音楽ができて楽しかったし、幸せな時間を過ごせました。万もそう思ってくれてると思ってます」
千...頑張れ。