第22章 悲劇
「千斗くんは今、万里と七桜さんが怪我したことで頭がいっぱいだろう。ろくに話しもできないだろうからね」
「すみません・・・実は万が音楽より興味を持った仕事があるの少し前から知ってたんです。もっとちゃんと話し合ってたら、万は今頃音楽辞めて別な仕事してる未来もあったかもしれない・・・たとえ、音楽辞めてその仕事に就いたとしても万はちゃんと成功させますから。信じてあげてください」
「千斗くんはそれには納得するだろうかね」
「千の事は私がちゃんと説得します。万が興味のある仕事は、私たちと一緒に音楽してたからこそ気付けた仕事だと思ってます。優しくて、面倒見のいい万は必ず必要とされます。今までの万の一生懸命を無駄にしないためにも、これからの万を信じてあげください」
詳しくは何も伝えられないけど、これくらいは教えたい。
「七桜さんは、高校生だったね。万里から聞いてはいたけど、本当にしっかりしているね。私よりも万里を理解しているみたいだ。それに万里のことを思ってくれてありがとう。わかった、信じよう。親としても息子が今までした一生懸命を信じてあげたいからね」
「ありがとうございます」
「万里のことよりも、七桜さんも早く治るようにゆっくり休まないといけないよ?万里も自分の病室でオロオロしているからね。これからも、万里のこと頼むよ」
「はい。もちろんです!」
お父さんにそう言われて嬉しかった。
千の事も怒ってるわけではなさそうだし...話しはしたいみたいだけど。
お父さんとは少し話した後、もう休みなさいとまたお礼を言って病室を出て行った。
万にあって確かめないと...
これからどうするつもりなのか。
今すぐ活動再開することは出来ないけど、予定では万は突然姿を消すことになる。
それは千が九条を連れて来たからだったと思うけど。
万は傷は残るけど酷い怪我はしてない。
私の方は...傷もたぶん残るし酷い怪我...
まさか、千は私に九条と会わせる気じゃないよね...
あり得ない話しではないかもしれない。
明日は万のところに行って、活動できないRe:valeをどうするか話ししなくちゃいけない。
私は怪我が治れば復帰するつもりではいる。
千が一緒にやってくれるなら...万がたとえいなくても。
それと、今後のことも...
確認しにいかないと。