第22章 悲劇
数時間後、目を覚ました時お母さんに自分が1週間眠っていたと教えてもらった。
「1週間・・・」
私の怪我は頭を強く打ち出血が酷く数針縫ったのと、左側に照明が落ちてきたらしく左腕を骨折...
命に別状はなかったらしいけど、危ないときもあったらしい...
まだしばらく入院は必要だし、しばらくは楽器も弾けない。
「万は?」
「万里くんは・・・酷い怪我はしてないけど、七桜が倒れたあとに照明の部品が落ちてきたみたいで・・・頭に怪我したって。万里くんも頭打ったから念の為入院することになったみたい」
あの後に落ちてきたの...?
確認しに行きたい...どれくらいの怪我したの?
万のこと、ちゃんと守ってあげられたのかな...
「明日また万里くんも千斗くんも来てくれるって。千斗くんずっと泣いてて大変だったんだから。万里くんも一緒になって泣いてたよ・・・もう休みなさい。すぐ良くなるから」
お母さんに言われるまま、起きて数分だけどまた眠りについた。
数日経つと、頭の検査も終わり病室から出てもいいと言われ少しは自由に動ける時間も増えた。
千と万も毎日来てくれて、暇な時間を過ごすことはない。
けど、万の怪我は...
(記憶より酷くはないんだろうけど、傷は残っちゃうのか・・・)
「七桜、助けてもらったのにこんなこと言いたくないけど・・・どうして庇ったんだ?七桜は女の子なんだから傷が残ったらどうするんだよ」
「どうしてって・・・万に怪我してほしくなかったから。怪我しちゃったけど・・・」
「どうして無茶なことしたんだよ。庇ってくれたおかげで俺はこの程度の怪我で済んだけど、そのせいで七桜は大怪我した・・・どれだけ心配したか・・・」
それでも、万には無事でいてほしかった...
だからこうなったことに後悔はしてない。
「明日、俺の父さんが七桜に会いたいっていってるんだけど大丈夫かな?たぶん、俺を庇ってくれたお礼だと思うけど」
「お礼なんていらないよ。自分がそうしたくてしただけだから。傷、残っちゃうって聞いた・・・ごめんね。ちゃんと怪我しないようにしたかったのに・・・」
「七桜・・・俺は心配しなくても大丈夫だよ。男だし、傷1つくらいあっても問題ないさ」
「万、千はどうしてる?」
「あいつは・・・」