第22章 悲劇
「ごめん・・・怒鳴ったりして。怒ったわけじゃなくて・・・」
上手く感情がコントロール出来なくなり、泣きそうになる。
「もし、そんなことが起きたら俺が守ります。七桜さんもユキさんもバンさんも、みんな守ります」
「そんなの無理だよ・・・」
「俺、体力には自信あるんですよ?」
「体力だけじゃ防げないよ。それに、百が怪我したらどうするの?」
百を巻き込むつもりはない。
「俺だって怪我してほしくないです。特に七桜さんは女の子ですし」
「だから、うちらの代わりに百が怪我するの?うちだって百に怪我してほしくないよ。誰かの代わりなんて絶対ダメ。百がうちらを大事に思ってくれてるように、百だって大事なんだから、そんなこと言わないで・・・」
「七桜さん・・・」
誰も巻き込めないし、巻き込みたくもない。
万じゃなく私の上に落ちてくればいいのに...
そうすれば、万が怪我することも、千が辛い思いすることもない。
百がRe:valeになることはなくなるかもしれないけど...
万はきっと、Re:valeを続けはしないと思うから。
そうなったら百と組めるようにすればいい。
自分の中で答えが出た気がした。
今は百もあんなこと起るとも、自分がRe:valeになるとも思ってない。
私は元々いない存在だから、怪我して抜けても問題ない。
誰も事故が起るのは知らないし...そうするのが1番いい。
「七桜さん、大丈夫ですか?」
つい考え込んで、百の存在を忘れていた。
「随分考え込んでましたね。話しかけても全然反応なくて、どうしようかと思いました」
「ごめん・・・」
「七桜さん、変なこと考えないでくださいね?約束してください」
「え?」
「わからないですけど、そんな気がしたんです。そんなこと考えてるような気がして・・・だから、約束してください!俺も七桜さんが怪我するのは嫌ですから」
そんな約束、できないよ...
「どうなるかなんて、誰もわかんないし・・・それに、別に変なこと考えてるわけじゃないから大丈夫だよ」
百にはそう言って誤魔化したけど...
自分が犠牲になれば上手くいくなんて考えてるわけじゃない。
けど、私にしかできないことだから。
だから...私がやるしかないの。
ごめんね、百...