第13章 何気ない日常
『…縛。』
鶴丸「おわぁっ!!」
鶴丸が何かを仕掛けて、長谷部が掛かったのだろう。
少し、絞られなさい。
鶴丸「酷いぞ!主っ!!」
長谷部「酷いのは貴様だっ!」
もう少し大人しくなろうね、鶴丸。
博多「主ー、昨日までの収支が出来たったい。」
『いつもありがとう。』
博多「好きでやっとるけん、気にする事なかよー。」
…本当に、短刀達は働き者ばかりだ。
少しは見習え、明石と鶴丸。
道場からは新選組達の、畑からは江達の、庭からは短刀達の声がする。
午後はあまり予定を入れないようにしてるから、各々で考えて過ごしているようだ。
どれ、私も…
『失礼するよ。』
大和守「道場に来るの、久しぶりじゃない?主。」
『ご教授、お願いします。』
蜂須賀「いや、貴女はもう十分に強いだろ。」
『身体がなまっちゃって。
和泉守、お願いします!』
和泉守「おっと!」
カンッ!!
乾いた音が響く。
和泉守「いい打ち込みだぜ?
よし、こっちからも行くぞ!」
『おっと。』
和泉守との稽古は気が抜けない。
それが楽しい。
稽古を終えると私室のお風呂へ入り、夕食のお手伝い。
朝と同じように整えて、みんなでいただく。
ただ、呑みたい者は集まって楽しみ、他は自分の時間を楽しむのだ。
私はどうしようかなぁ…
ガシッ!
次郎「主ー。今日こそ決着つけようじょないかぁ。」
迷っていたら、次郎に絡まれた。
『決着もなにも、私に勝てた事なんてないでしょ?次郎。』
次郎「いいんだよっ!さっ、呑んで呑んでっ!」
と、次郎と飲み比べたけど…
次郎「zzzzz…。」
はい、終わり。
次郎は好きなんだけど、それ程強くはない。
飲み比べなんかしなければ、ゆっくりと楽しめるのに…
太郎「すみません、いつも。」
『こちらこそ、いつも次郎を潰しちゃって。』
太郎「なかなか学びませんで。」
ひょいっ、と次郎を肩に担いで行ってしまった。
…あの大きな次郎を簡単に担ぐとは、いつもながら感心してしまう。
さて。
まだ飲んでる子は置いといて、片付けを済ませて皆自室へと戻っていく。
私も戻り、もう一度お風呂に入って寝る支度を整える。
トントントン
そして…愛しい人の訪問。
ここからは、二人だけの秘密の時間。
ーendー