第13章 何気ない日常
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私の朝は…
部屋の前で繰り広げられる“誰が主を起こすのか”闘争の騒ぎから始まる。
本当は、とっくに目を覚まして居るのだけれど。
だいぶ前に長谷部が顕現された時、すでに朝の身支度を済ませていたら酷くがっかりされたので…
誰かが起こしに来るまで、布団に入っているようにしたのだ。
…が。
刀剣男士が増え、毎朝この闘争が繰り広げられるようになってしまい。
当番制にしても、こっそりと抜け駆けする子も居たりして収集がつかない状況。
まぁ、それも楽しいので放置するようになった。
今朝は…長谷部と鶴丸か。
長谷部[鶴丸!今日は貴様の番ではないであろうっ!]
鶴丸[それを言ったら、君だってそうだろう?]
長谷部[俺は“主お世話係”なんだよ!]
…当本丸にそのような係はありません。
加州「はい、おはよー。」
と、庭に面している縁側から加州が入って来た。
『おはよう、清光。』
加州「毎朝飽きないし、学習しないよねー。」
初期刀の彼はこうやって隙をついてやって来る。
そうすると…
バタン!!
長谷部「加州!また貴様はっ!!」
鶴丸「よっ!主。
おはようさん。今日もかわいいな。」
『おはよう、鶴丸・長谷部。』
加州「毎朝律儀に入口から入る事ないって言ってんのに。」
長谷部「女性の寝所だぞ!?」
鶴丸「その寝所にノックもせずに入るのもどうかと思うぜ?」
長谷部「ぐっ!!」
始めこそ抵抗があったけど、彼らとは主従関係。
私が強く命じれば抵抗できないのだ。
なので、私室であろうと出入りを許している。
まぁ、私の嫌がる事をするような子はここに居ないけど。
『はい、そこまで。
着替えるから出てくれる?』
鶴丸「手伝うぞ?」
『そこまで老いてません。
さ、朝食の準備を手伝ってきて。』
「「「はーい。」」」
もう、レクリエーションのようなものだな。
素直に出ていくし。
朝一番の騒ぎが済むと、身支度を整えて厨へ。
朝食の手伝いをする。
『おはよう、燭台切・伽羅・歌仙。』
伽羅「おはよう。」
燭台切「おはよう、主。」
歌仙「おはよう。今朝も賑やかだったね。」
『飽きないよねぇ。
さ、仕上げましょうか。』
燭台切「おっけー。」
歌仙「皆、揃ったようだしな。」
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