第12章 君にしかー鶴丸国永ー(裏)
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こんのすけ「主さま、失礼します。」
要らぬ事を考えないようにと仕事に没頭していたら、こんのすけがやってきた。
『いらっしゃい、こんのすけ。
どうかしましたか?』
こんのすけ「先程は政府の者が大変失礼致しました。」
…忘れたいのに、思い出させてくれるな。
『…その件は、いいよ。』
燭台切「良くないよ。」
『光忠…。』
お茶とこんのすけへのおあげを持ってきた光忠が少し厳しい顔で言った。
燭台切「ことの顛末をちゃんと聞いて?」
『…はい。』
光忠に諭すように言われた…
少し、冷静になったな。
こんのすけ「鶴丸さまに非はないのです。
あの方が一方的に迫り、鶴丸さまは穏便に済ませようとして下さったのです。」
と、防犯カメラの映像を見せられた。
本当だ…
鶴丸は全く触れていない。
[悪いが、君じゃ勃たない。]
ー!!
燭台切「鶴さん…かっこいいよ…。」
謝らなきゃ…
自分の事ばかりで、鶴丸を傷つけてしまった。
『光忠、鶴丸は?』
燭台切「井戸の所に居るよ。」
『井戸?』
もしかして、匂いを流してる?
『光忠、こんのすけ。
ごめん!私、行くね。』
燭台切「タオル、持っていって。」
こんのすけ『仲直りして下さいね。』
『ありがとう!』
光忠からタオルを受け取り、縁側から出て井戸を目指す。
玄関回るより、その方が早い。
歌仙「主!裸足でっ!!」
太鼓鐘「まぁまぁ。今回は見逃して?」
歌仙「?」
鶴丸…鶴丸っ!!
『鶴丸っ!!』
「おっと!!」
びしょびしょになっている鶴丸の背中に抱きつく。
「主?濡れるぞ!」
『ごめん、鶴丸…
ごめんなさい……。』
「…不安にさせたな。」
お腹に回した私の手をポンポンとあやす手が思いの外冷たい。
『…お風呂、入ろ?
風邪、ひいちゃう。』
「お?一緒に入ってくれるのか?」
『…うん。』
「おっと…冗談のつもりだったんだがなぁ。」
『私が…流す。他の人の移り香なんて。』
こんな事で罪滅ぼしにならないけど、私の手で消し去ってしまいたい。
「…取り消しはナシだぜ?」
『えっ?わぁっ!!』
ひょい、と抱き上げるとられて大浴場へと連れていかれ
ザブン!
服を着たまま、湯船へと沈められた。
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