第10章 素直になるとー和泉守兼定ー
和泉守「おい、。居るか?」
執務室で書類仕事をしていたら、和泉守が訪ねて来た。
『居るよー。どったのー?』
和泉守「忙しそうだな。」
『今朝方、こんのすけがたっぷりと持って来たのよー。』
仕事の手を止めず、会話をする。
『何かあった?』
和泉守「何もなきゃ、来ちゃ駄目なのかよ。」
と、少し不機嫌そうに言った。
それもそうか。
恋仲の相手だ、理由なく会いに来たってなんの問題はない。
むしろ、聞く方が問題だな。
『ごめんなさい、今のは私がいけないね。
来てくれて、ありがとう。』
和泉守「わかりゃ、いいんだ。」
あら、もう機嫌が治ってる。
『区切りがついたら、お茶飲もうね。』
和泉守「あぁ。」
と、和泉守はソファーに座った。
確か今日は非番だったね。
ラフに着崩した着物も似合う。
…ていうか、無駄に色気が。
『…なんだって、こんな色男が私を好きになってくれたのだろう。』
和泉守「思っている事が口から出てるぜ。」
『あ。』
しまった…
以前、“私なんかのどこがいいんだ?”と聞いた時。
ー俺が惚れた奴の事を“なんか”なんて言うな。
本人でも許さねぇぞ。ー
って、叱られたんだった。
和泉守「こんだけ言ってんのに、まーだ解んねーか?」
和泉守は私の方へ来ると椅子を自分の方へ向け、迫って来た。
…色気に殺される。
和泉守「聞いてんのか?。」
『あ…えーっと……近くないですか?』
和泉守「何で敬語なんだよ。
てか、近くて良いんだよ。迫ってんだから。」
『いやいや!仕事中ですって!!』
和泉守「知るかよ。
…聞き分けのねぇに、お仕置きだ。」
『んんっ…。』
と、いきなりの深い口づけ。
息をする事さえ許さない、そんな感じの激しさ。
『ふっ…んんっ!兼さっ…!!』
和泉守「んっ…るせー。黙って仕置きされてろ。」
『んんーっ!』
そのまま、椅子に座ったまま和泉守に抱かれた…
和泉守…なんていうか、激しいし多い気がする…(求められる回数とか頻度とか)
比較的若い刀だから?
彼の性格?
嫌なわけではないのだけれど…ちょっと複雑。
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