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月の虜

第6章 想い合えたならー膝丸ー (裏)


ーー

今度、審神者の報告と慰労を兼ねたモノが現世で行われる事になった。
慰労してくれるなら、そんな催しをしないでくれる方がよっぽど癒されるんだけど。
しかも、一泊だなんて。

『…めんどくさい。』

報告はいいんだ。
それが審神者の仕事でもあるのだから。
嫌なのは、慰労。
他の審神者と交流しろって事なんだけど、あからさまに下心丸出しで来る奴が多くてウンザリなんだよなぁ。
女性の審神者とは純粋に情報交換とか出来るから実りのあるものなんだが、いかんせん数が少ない。
圧倒的に男性が多い審神者界。
そんなんだから、女性の出席率は低く。
私もすっぽかしていたのだが、それがいけなかった。
今回、私は強制なのだ。

『やだよー。行きたくないよー。』

こんのすけ「いけません!今回は出席していただきます!!」

『…どうしても?』

こんのすけ「主さまも、そろそろお相手を見つけていただかないと。」

やはり、それか。
審神者同士で契るか、刀剣と契るか。
そろそろ、腹をくくれというのね。

『益々、嫌だ…。』

こんのすけ「心に決めた方がいらっしゃるのですか?」

いるよ、勝手にだけど。
片想いだろうけど、想っている。

『…いない。』

そう、嘘をつく。
伝えるつもりは、ない。
今の関係を壊したくない。

こんのすけ「ならば、御参加ください!
実力も容姿も問題ない方ばかりですよ?」

『お見合いパーティーじゃないんだから…。』

こんのすけ「毎回、それも兼ねているのですよ?」

…だから、行きたくないんだって。
そういう、ギラギラしたのは嫌なんだよ。

こんのすけ「当日は近侍を同伴ですからね。よろしくお願いしますよ!」

『あっ!こんのすけっ!!』

私が呼ぶのも聞かずに、こんのすけは行ってしまった。

近侍を同伴て…聞いてなかったぞ?
ウチの本丸は当番制にしている。
当日の近侍は…

『えっ…嘘でしょ?』

よりによって、あの人だなんて。
誰か嘘だと言って…

その日は変えるか?
…いや、不自然だし失礼だよなぁ。
どうしよう…想っている人をお見合いパーティーの同伴にするって。
どんだけMなんだよ。



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