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月の虜

第5章 重なる想いー髭切ー (裏)


ー髭切ー

『あ、髭切。』

「やぁ、主。」

非番の今日は、本丸の中を探索していて。
途中、主に会った。

『今日は非番ね。ゆっくりするんだよ?』

「うん。主は?何をしてるの?」

『買い物へ行こうと思って。』

「一人でかい?」

『うん。いつも、一人で行ってるよ?』

まぁ、主は色んな意味で強いから大丈夫だろうけど…
警戒心がなさすぎじゃないかい?
主、美人なんだから。
外見もだが、性格も。
だから、この本丸の男士は主を溺愛している。
僕も例に漏れず、だけど。

「僕も一緒に行っていいかい?買いたいものがあるんだ。」

本当は、何もないのだけど。
こう言わないと、一緒に行けない。
主は一人で行くと言って、きかないだろうからね。

『そうなの?珍しいね。
じゃ、玄関で待ってるよ。』

「すまないね、すぐに支度してくるよ。」

『急がなくていいよ。』

いや、急ぐよ。
せっかく、主と出かけられるんだから。
少しでも長く、二人でいたい。

内番着から普段の服へと着替え、玄関へ向かうと…

乱「主さん、おでかけするのー?」

『うん、髭切と買い物に行ってくる。』

乱「えー!いいなぁ!
僕も主さんと出かけたい!!」

主が乱に絡まれていた。
本当に、油断できないなぁ。

「君は今日、畑当番だったよね?
主の護衛は、僕に任せて。」

乱「いいなー、髭切さん。」

『お土産、買ってくるよ。』

乱「んー、わかったー。いってらっしゃい。」

『いってきます。』

「行ってくるよ。」

他の男士にも同じ事を言われかねないから、早々に本丸から離れよう。

『今日も賑やかだね、ここは。』

「そうだね。」

ここは、様々な店が軒を連ねている。
僕たちのような刀剣男士だけでなく、この辺りで生活している人々も買い物や卸に来るのだ。

店主「おや、さん。
今日は一人じゃないんだなぇ。」

主馴染みの店なのか、店主が話しかけてきた。

『そうなの。頼もしい護衛でしょ?』

店主「それに、男前だ。」

『羨ましいでしょ?』

店主「本当に。お似合いだよ。」

「…この店の商品、買い占める?」

『こらこら。』

店主「はははっ!男前なだけじゃなく、気前もいいねぇ!」

…だって、嬉しいから。
とお似合いだと言ってもらって。


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