第5章 花酔ひ
股を割って、見せつけるように腰を上げては、股下に柔らかい唇が押し付けられて、熱い舌が割れ目を押し当ててずるずると音を立てて吸われた。ぞくぞくと甘い戦慄が全身を駆け巡り、上ずった声がでた。
「そこ、いやっ...。汚いの、違う...。」
めちゃくちゃにされたい。死んでもいいくらい、愛されたい。
羞恥心よりもその先の快楽が欲しくなる。切ない。もっと抱いて欲しい。
「綺麗だし...、可愛い。全部甘い。全部食べてしまいたい。」
童磨はしたたる汗を乱暴に脱ぐって舌なめずりをした。
「そんなに欲しい?もう、我慢できない?」
悪戯に、だけど甘えた口調で聞いてくる。ほしいと返すと、艶めかしく笑っていいよと答えた。
髪をどけて、額に、鼻筋にと口づけが降る。
息がかかるほどの至近距離、艶を増して雄めいた虹色に見つめられた。肩にかけられた足の下で、蜜口にはちきれんばかりに膨れた鈴口があてがわれる。
愛してる。繋がりたい、壊してほしい
童磨...。菖蒲が呼んで、大きな背に手をまわす。
菖蒲........菖蒲...何度もそう呼びながら、安心させるように目尻と唇に口づけた。
もう、もう壊して
幸せに繋がらないと知ってても、この気持ちは収めようもないから。
ただこの ひとときだけでも、本当に愛してくれてるなら
それを躰にも心にも刻んで欲しい。
「ああ"ああああぁぁぁっ」
充分な程にくずけきった蜜口でも張り裂けそうなほどの刺激を伴ってメリメリと奥に押入ってくる。
しがみつくように力を入れた手は、その背に爪を強く立てて、仰け反る躰は強く男の体を押し付けた。
「痛いね....。慣れるまで...待っててあげる。」
耳元で余裕のない声が鼓膜を甘く擽る。
支えていない方の大きな手が菖蒲の頭をあやす様に撫でた。
触れる側頭部。甘えるように擦り寄せて無意識の涙を流す。
「お願い。気を使ったりしないで。.....壊して、いっぱいにして......」
「菖蒲ちゃん......」
苦しげに眉を寄せて、それでも気遣うような表情はきっと自分だけしか見たことがないものであって欲しい。