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極楽浄土【鬼滅の刃/童磨】

第13章 花戯れ



先の尖る鬼の舌
鎖骨をなぞり、正中線を辿ると
双丘の片方を選んで頂きへと昇る。

ひくりと反応を観せれば
赤子とは違う甘えで喰んで舌で転がし弄ぶ。

「あぁ…ん…」

甘い声を漏らす菖蒲も、白橡の髪を撫でながら、
その『甘え』に甘えた。

耳の感受帯を刺激する声に薪をくべられたように
甘さと情炎に燃え盛る。

触れたかった肌
聞きたかった声

もっともっと引き出して
互いに甘い蜜で、渇きを満たしたかった。

「気持ちいい…」

「もっと、よくして?」

感じなかった体温が昇り始める
もっと混じりたい。

いつの間にか互いの片方の手が、
二度と離れないように指を絡めて握り合う。

その無意識の強さが狂おしいほど

腕も指先も脇も
唇が触れる度に菖蒲は甘い声を漏らす。

「どこも甘いね…。クラクラする」

「凄く、可愛い…」

肌に刻まれた残酷な仕打ちの上、飴を溶かし流すように
染めかえられていく。

耳にかかる息
這う舌
余裕のない甘さ

一方的な愛じゃない安寧が涙を誘う。

「泣き虫になっちゃった?」

覗き込む虹色
心做しか熱で潤んで色香が漂う
ただ、それをじっと見つめていた。

「……そっか…」

目は笑ったまま、口元に狂気を感じる。

「記憶の中からも追い払ってあげなきゃね…」
「お願い…いっぱいにして。忘れさせて…」

そういって、更に性急にその手が身体を溶かし暴いていく
それだけで身を揺らすほどの快楽が襲う。

女蜜の溢れるそこに触れると菖蒲は己を抱く胸に強く頭を押し付け肩を震わせた。
その様子に『あの夜』に聞き流していた言葉

『お前のような鬼に心を許し、俺の種を拒んだ!』

「あぁ…あれ、そういう…」

欲情と愛情に、過去の菖蒲を呪縛した男への憎悪が混じる。

______随分と手荒にしたんだろうね…。


怒りの激情に呑まれそうになるも無理やりに情欲と愛の激情に切り替えた。

「大丈夫。でも、今さら抑えてやれないよ?」

両内腿を溶かし解くように撫で開き、指で触れようとしていた源泉たるそこをただただひたすらに愛舐した。

すすり泣く声に交じり甘美な吐息
再度きつく握られた手に愛故の切実な懇願を感じた。

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