第39章 未来へ繋ぐ
琴音は髪の短くなった義勇の頭を両手で優しく抱え込み、ぎゅっと自分に引き寄せた。
「どうぞ。思う存分くっついてくださいまし」
微笑みながら義勇に囁く。
「ずっとずっと、くっついていてください。寄り添ってください、私と。いつまでも。ずっと……ずっと………」
義勇も残された片腕を琴音の背に回した。
「承知致しました。
俺はいつまでも、愛するあなたと共にいます」
―――雪の降る寒い日。
それでも抱きしめ合う二人は、互いの命を感じ合うことで心がぽかぽかと暖かかった。
まるで、陽だまりにいるかのように。
目を閉じて、これまでのことを思い出す。
そして。
目を開けて、この先を思い描いた。
義勇と琴音は微笑み合って、そっと口付けを交わした。
優しく、暖かく、穏やかに――……
終わり。
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