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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第39章 未来へ繋ぐ


玄関先で抱き合い、甘い口付けをする二人。


ふと、義勇の胸元に何か硬い感触があることに琴音は気がついた。
なんだろ?と思う。

義勇も琴音の反応が変わったので唇を離した。

「どうかしたか」
「………?」
「なんだ?」

琴音は首を傾げながらペタペタと義勇の懐を触る。急に身体を触られて、義勇は驚く。

「どうした。積極的だな…、――…っ!!」

少し笑った義勇が、途端に青ざめた。
琴音が義勇の懐から赤い小瓶を取り出したからだ。

「なに?これ。薬…みたいだけど」
「……、いや、別に」
「義勇さんの?こんなの蝶屋敷にあったかな」
「……返せ」

明らかに焦りだした義勇に琴音は眉を寄せた。
小瓶の蓋を空ける。

「飲むなっ!!」
「得体のしれないもの、飲むわけ無いでしょ」

琴音は薬の匂いをかぐ。
独特の甘ったるいその匂いで、彼女の表情が軽蔑のそれに変わった。

「…………、琴音、それは」
「興奮剤……いや、媚薬だね、これ」

琴音は小瓶の蓋をきゅっと閉めて、義勇に差し出した。
流石というかなんというか、いきなりバレた。義勇は生きた心地がしない。

「……なんでこんな物をもってるのでしょうか」
「宇髄が、渡してきた」
「へぇー宇髄さんに貰ったの。こういうの欲しかったのね。知りませんでした」
「違う!俺は別に、」

「この助平っ!!!」

琴音は小瓶を義勇の胸ポケットにねじ込んで、プイッと部屋に行ってしまった。



帰宅早々、喧嘩だ。
義勇は頭を抱えた。

恐る恐る彼女の部屋へと向かったが「着替え中!」と怒られる。

帰宅時の甘い雰囲気が跡形もなく消し飛んだ。




ため息をつきながら自室にいく義勇。自分も部屋着へと着替える。

片腕なので、うまく帯が結べない。
元来ぶきっちょな彼がもたもたと結んでいると、俯き気味の琴音がスッと部屋に入ってきた。


無言で義勇の着替えを手伝う琴音。


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