第32章 任務完了※

義勇はもう限界だった。
琴音の中で張り詰めている彼の陰茎は、今にも精を放出しようと震えている。

「駄目だ……、そんなこと、出来ないっ」

腰の動きは止めないままに、義勇は眉をしかめて琴音に言う。
すると琴音は両足で義勇の腰をぐっと抱え込んだ。いわゆるカニばさみだ。

「――…っ！おいっ！」

義勇は驚く。これだと射精時に腰を抜けない。
琴音は脱力しているくせに、足の力はまだ残っていたようだ。
琴音の本気を見る。

「お願いっ！」
「……ぅっ……、…しかし……」
「安全な日、だから……ね？」
「…はぁ、はぁ……いい、のか？」
「いいのっ！……んっ、はっ、……ちょうだい？ね？……あん、はぁ、気持ちいい………」
「くぅっ……はぁ、はぁ、……琴音」

義勇の背を、ゾクリとしたものが走った。
雄としての本能が、理性や倫理を越えていく。

いつもなら射精のタイミングを測って調整し始める時になっても、一切何も構わずにただひたすら快感のみに集中した。
それはつまり、中に出すと決めたということ。

「琴音……、はぁ、はぁ……琴音」
「んっ、はぁっ、気持ちいいの、義勇っ！ふぁ、っ、ああああんっ！！」
「……、くっ………ぅっ、………っ！！！」

くぐもった呻き声を出しながら、義勇は果てた。
巻き付いた琴音の足で義勇の腰はぎちっと抱え込まれており、彼の精は彼女の奥深くで放たれた。

琴音も同時に果てたので、彼女の腟壁が義勇の精を吸い取ろうと、びくびくと震えている男根を中で強く締め上げた。


義勇は、中に出すことのとてつもない快感を知る。
最後まで繋がっていられる喜び。征服欲や背徳感。今まで味わったことなのないそれらの感情が義勇の脳で渦巻いた。

義勇が息を荒くして射精後の余韻に浸っていると、巻き付いていた琴音の足が力なくぱたりと布団に落ちた。


その感覚で、義勇は我に返った。

琴音は目を閉じてぐったりとしている。


「琴音？大丈夫か？……おい」

義勇は少し焦って呼びかけた。
意識はあるようだが、返事はなかった。

自身を引き抜くと、琴音の中からドロリと己の精が零れ出てきた。