第1章 FILE1:街で…
そこにはそういっていつの間にか男の背後に回り込みその腰の銃を奪い取りると男の頭に銃口を突きつけた政魔がいた。
「その手を離せ」
「っ!」
男は殺されるのを恐れたのか女を押さえ付ける腕が震える。
「離せ」
政魔がより強く銃口を頭に突きつける。
「わ…わかった!わかったから殺さないでくれ!」
男は女を解放すると政魔に拘束された。
私は解放されて安心したせいか崩れ落ちてしまった女を抱き抱えて声を掛ける。
「お怪我はありませんか?」
「っ…はい」
その声は震えていた。
私は安心させるように背中を擦ってあげるとその人は恐怖から解放されて泣き出してしまった。
「もう大丈夫です…安心して下さい」
そう微笑みかけるとその人は泣きながらもゆっくりと話し出す。
「あの、私…行くところがなくて…その…お願いです!私を僉弥軍の基地に連れていってください!」
「え…えーっと」
私が困っていると政魔が来た。
「いーんじゃないの?連れていこうぜ」
「ありがとうございます!」
女は喜んだ。
「あ、まだ名前をいってなかったですね?私は『神咲雫』でこちらは…」
「小河政魔だ」
私達は挨拶を終えると女は名を名乗る。
「私…私は、梔子麟子と申します」
そうして私達は基地に帰ったのであった。