第22章 呪い合い、殺し合い、
そして、なずなの帰りを待っていたのは虎杖だけではなかった。
何やら苦い顔をした来栖がなずなの方に歩み寄ってくる。
「来栖さん……」
「……その、昨日は言い過ぎました。まさかあなたがそんなに思い詰めるとは考えてなかったんです」
てっきりまた何か言われるのだと思い少し身構えたなずなだったが、来栖の口から告げられたのは謝罪の言葉。
予想していなかったそれになずなは目を丸くする。
来栖は視線を泳がせながら更に続けた。
「それと、自分から縛りを作っておいて反故にするつもりですか?」
「え、と……?」
「連続24時間の休息!恵は休んでますけどあなたはまだです!いつまで待たせるんですか?」
そこまで言われてはたと気づかされた。
来栖から伏黒を渡すよう迫られた時にそういった縛りを結んだのだった。
「そ、そうでした……!」
「忘れてたんですか!あなたが休まないと私にペナルティがあるかもしれないんですからね、ちゃんと休んでください」
これは権利ではなくて義務です、とまで念を押され、伏黒が寝ているのとは別のベッドルームに押しやられる。
「あ、あの!恵くんが起きたら……」
「分かってますよ、ちゃんと知らせます。そんなことで抜け駆けはしませんから今はしっかり寝てください!」
「俺達もいるから大丈夫だぞ~」
虎杖と高羽もおやすみと手を振られ、なずなはようやくベッドに入ったのだった。