第21章 ネクストステージ
「逆に津美紀と同じ巻き込まれた現代人の術師なら、むしろ積極的に情報交換できると思う」
「呪霊にも気をつけないとね」
「特に夜はな」
そこで一旦話を区切り、伏黒が結界の壁をノックした。
するとポンッと軽い音と煙を出してコガネが現れる。
虎杖に憑いたものと少し尻尾の形が違う。
「よぉ、俺はコガネ!この結界の中では死滅回游って殺し合いのゲームが開催中だ。一度足を踏み入れたらオマエも泳者!それでもオマエは結界に入るのかい!?」
「ああ、問題ない」
「伏黒恵が死滅回游へ参加しました。総則を参照しますか?」
「いい、必要ない」
「ちぇっ、そっちは?」
コガネはなずなの方に目を向ける。
「わ、私も参加しますっ」
そう答えるとすぐに別のコガネが現れた。
こちらのコガネは尻尾と目の形が少し違う。
「渡辺なずなが死滅回游へ参加しました。総則を参照しますか?」
「だ、大丈夫です」
「つまんねー」
「す、すみません……?」
これで準備は整った。
「虎杖、渡辺、まずは日車の情報収集だ」
そう言った伏黒からは津美紀が巻き込まれたことに対する怒りからか、呪力が滲み出ていた。
「いくぞ」
「応!」
「うん!」
3人は意を決して結界内に足を踏み入れた。