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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



21:40 松濤文化村ストリート(帳外)




野薔薇が新田と共に伊地知が襲撃されたと思しき東京メトロ渋谷駅を目指して走っていると、角を曲がった先に呪詛師の気配がして野薔薇が立ち止まる。


「新田ちゃん、ストップ!」

「あー!スーツの女の子だぁ、嬉しいなぁ!男ばっかで飽き飽きしてたの」


そこにいたのは野薔薇も見覚えのある人物だった。
交流会に乱入し、何もせずに逃げ帰ったサイドテールの呪詛師。



野薔薇は金槌を構えて臨戦態勢をとる。


「新田ちゃん、隠れてて。すぐ終わるから」



その直後、重面に聞こえないよう声を落として新田に伝える。


「ブンカムラに隠れたフリをして、そのまま東急を通り抜けて。口振りから伊地知さんはアイツにやられたのかも。だとしたら急がないと」

「ッス、釘崎さんも無理はしないで」








「コソコソ話?気になるじゃん」


重面が刀を振りかぶると同時に野薔薇、新田が別方向に走り出す。


予想通り、刀は新田の方へ投擲されるが、野薔薇が金槌で叩き落とす。

新田はそのままブンカムラへ逃げ込んだ。



「あーあ、隠れちゃった」


落胆する重面に野薔薇が打って出る。

呪具頼りの奴は術式持ってても中長距離タイプが多い。
しかも相手は自ら呪具を手放している。攻める以外の選択肢はない。


「自ら丸腰とか、舐めプかよ」

「危な!!」


肉薄して金槌を振り抜くが避けられた。



「あ、君、前会ったね」

「どちら様ですか!!」


向こうも交流会のことに気づいたようだが、こちらは敢えて知らないフリをして攻撃し続ける。



野薔薇の攻勢をギリギリ躱しながら、少し距離を取った重面が新田の逃げ込んだ先に視線をやった。


「アレェ?なんだ、隠れたんじゃなかったのか」

「?」


重面に新田は見えていないはずなのに、何を言っているのか。



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