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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



「奴の術式は多分“あべこべ”だ。強い攻撃ほど弱く、弱い攻撃ほど強くなる」


脱兎に囲まれた敵からは見えない路地に隠れ、伏黒が自分の推察を話し始めた。


「虎杖よりタイミングを外された俺の打撃が効いていた。攻撃用じゃない脱兎も。脱兎に囲まれた今もすぐに出ようとしない。地面に叩きつけてもピンピンしてんのはそういうことなんだと思う」

「じゃあデコピンでブッ倒せる?」

「いや、弱すぎは駄目だ。ただのあべこべなら、発動後の空気抵抗とかの微弱な力で自滅するはず」


人差し指を弾く仕草をする虎杖に対して伏黒は首を横に振る。


「そうじゃねぇってことは、あべこべにできる上限と下限がある。攻撃に合わせて調整して、術式効果や斬撃なんかはあべこべにした上で呪力で守ってるんだろ」


強い攻撃ほど弱くなるのなら、呪力で守るのも容易だ。
だがそれも五条レベルになると通じないと自ら明かしている。


「だから規格外の五条先生には勝てないし、複雑な術式とも相性が悪い」

「となると同時だな?強い力と程々の弱い力で同時に叩く!」

「ああ、だが術式に気づいたことを悟られたくない。俺達はこのまま全力で馬力をアピールする」



「始めは打撃力の低い式神、そこから一気に畳む」


頷いた虎杖はそのまま地上に、伏黒はビルの非常階段を上っていった。



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