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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



待機命令が発令されてから約1時間、帳の外側でも事態が動いていた。


帳内にいた改造人間が閉じ込められた一般人を次々と襲い始めたのだ。

静かだった帳内は一気に混乱を極めている。


それだけではなく、別の帳も降ろされ、術師達にも緊張が走っていた。


JR渋谷駅新南口で待機していた日下部はガードレールから立ち上がる。


「確かに駅に閉じ込められた分を差し引いたとしても、人口密度が低かったな」








同じ頃、渋谷マークシティ前にいた直毘人も腰を上げた。


「改造され、建物内に待機していた人間が今になって非術師を襲い始めたか」








東京メトロ渋谷駅近くの歩道橋にいる七海達は伊地知からの報告を受けていた。


「だから我々も待機をやめて突入……仕方ないことですが、対応が後手に回りすぎです。だが一番気がかりなのは……」

「同」

「同時に降りた術師を入れない帳ですね」


言いたかったことを伏黒に取られた猪野はなんとも言えない顔だ。


横取りするつもりなど1ミリもない伏黒が真剣な表情で続ける。


「五条先生が現着してからそこそこ時間が経ってる。何故このタイミングなんでしょうか?」

「中で何かあったか、戦略上このタイミングである必要があったのか……着実に言えるのは、無策で挑んでくるタイプではないということ」


七海は答えながら上着を脱いだ。


「私は帳を降ろしている敵を、2人は片っ端から一般人を救出してください」






21:22 3班突入―



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