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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて





「……キッショ、なんで分かるんだよ」





夏油でない何かは頭の縫い目に沿って糸を外していき、その頭部がパカリと開いた。

本来脳が収まっているはずの部分には、口の付いた脳のようなモノ。

脳漿が縁から溢れている状態でそれは笑みを浮かべている。


「そういう術式でね、脳を入れ替えれば肉体を転々とできるんだ。勿論、肉体に刻まれた術式も使えるよ」


五条はギリときつく歯噛みした。


「彼の呪霊操術とこの状況が欲しくてね。君さぁ、夏油傑の遺体の処理を家入硝子にさせなかったろ。変な所で気を遣うね、お陰で楽にこの肉体が手に入った」


そう言って頭を閉じて、再び糸を締めていく。


「心配しなくても、封印はその内解くさ。100年・・・いや、1000年後かな。君、強すぎるんだよ、私の目的の邪魔なの」

「ハッ、忘れたのか?僕に殺される前、その身体は誰にボコられた?」

「……乙骨憂太か」




昨年の百鬼夜行―


乙骨に憑いた呪いの女王、折本里香を手に入れるため、夏油は新宿と京都に無数の呪霊を放ち、それを陽動にして高専へ侵入したが、激昂した乙骨に返り討ちにされている。


「私はあの子にそこまで魅力を感じないね。無条件の術式模倣、底なしの呪力、どちらも最愛の人の魂を抑留する縛りで成り立っていたに過ぎない」


話している内に特級呪霊達が目を覚まし始める。



「残念だけど、乙骨憂太は君にはなれないよ。おやすみ、五条悟。新しい世界でまた会おう」



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