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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



しかし、五条は淀みなかった。

呪霊達が期待した猶予を与えず、右手で掌印をつくる。



領域展開 ―無量空処―


その場にいた呪霊、改造人間、非術師の全てを巻き込んで展開される五条の生得領域。



宇宙空間のようなそれは展開とほぼ同時に消失した。



時間にしてわずか0.2秒。



これは五条が勘で設定した非術師が廃人にならず、後遺症も残らないであろう無量空処の滞在時間。


根拠はなく、0.2秒の間に改造人間を含めた非術師の脳には、時間にして約半年分の情報が流し込まれ、全員が立ったまま気を失った。


しかし、B5Fの生き残りは2ヶ月後に残らず社会復帰を果たす。






言ってしまえば、そのレベルの無量空処。



誰もが気絶し、静まり返ったホーム内で五条は一心不乱に改造人間を屠っていく。


狙いは改造人間のみ。


今この瞬間にも特級呪霊が目を覚ます可能性があるからだ。



いくら五条といえど、領域なしで特級を複数相手にしながら改造人間を排除するのは難しい。


だから被害を最小限にする方法を最短で実行した。


何が何でも改造人間全てを排除する。







現代最強の呪術師は副都心線B5Fに放たれた改造人間およそ1000体を領域解除後299秒で鏖殺した。





……これで、残るは特級呪霊2匹と受肉体1体。



虎視眈々と自分を狙っている者が他にもいるやもという考えが完全に慮外になったところで、呪符に包まれた立方体がホームに忽然と現れた。



「獄門疆 開門」



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