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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



20:51 東京メトロ明治神宮前駅 2番出口側



券売機の前で冥冥、憂憂、虎杖の3人は補助監督の女性から帳の説明を受けていた。


「地下鉄の駅全体を覆う“一般人を閉じ込める帳”、その内側、副都心線ホームを中心に“術師を入れない帳”が降りています」


補助監督は説明しながら、メモ用紙に線路とホーム、それを囲むように二重丸を簡単に書き、2つの丸の間に点を書き入れる。


「そして2つの帳の間に、これらの帳を降ろしている呪霊か呪詛師がいます」

「間?中心のホームじゃなくて?」


冥冥の質問に補助監督はおそらくですが、と続けた。


「自分も外に出るデメリットを抱えて結界強度を上げているのだと思います。既に2名の補助監督がやられています。それから帳の間に、その……まだ断言はできないのですが……」

「構わないよ、言ってごらん」

「……帳の間に、改造された人間がいます」


虎杖の心がざわりと騒ぐ。


改造人間……

否応なく思い出すのは、任務先でできた友人を異形へと変え、殺したツギハギ顔の特級呪霊。


あの時、逃してしていなければこんなことには、と悔しさに虎杖はギリと歯噛みする。









その後、3人は一度地上に出て、冥冥が各出口から複数の烏を飛ばして偵察していた。


「何してんの!?急がねぇと」

「シッ、姉様は今、烏達と視覚を共有しています。集中力のいる作業です、静粛に」


立ち止まってはいられないと急かす虎杖を憂憂が注意する。


だが、冥冥にとっては周りが騒がしかろうが関係なかった。


「別に喋ってもいいよ」

「いいって」

「もうっ、姉様ったら!」



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