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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第18章 無垢なる贄と仮初の平穏と



「結界内は携帯が繋がらねぇから、夕方に一度伊地知さんの所へ集まるぞ。時間は玉犬にメモ持たせるなりして伝える」


儀式は深夜なので、それまでは生贄は安全だとは思うが、村人に監視されていたら、自分達が抜け出せる時間が限られる。最悪なずなは生贄の側を離れられないかもしれない。


その場合は虎杖達との情報交換は手短に済ませる必要があるなと伏黒が思案し始めた頃には虎杖と野薔薇は民家が多そうな場所に歩き始めていた。









正午までの間、人目のつかない場所で伏黒はなずなの影に自分の影を重ね、そこへ潜ることを繰り返していた。

完全に潜ってしまえば傍目には絶対に分からないが、なずなが動くとそれに合わせて伏黒も影の形を変えないと不自然になってしまうので、予想以上に細かい呪力操作が必要だった。


練習を続けていると、背後からなずなが小さく声をかけてくる。


「あの、伏黒くんもごめんね。私、勝手なこと言っちゃって……」


先程は野薔薇には咎められ、虎杖も困らせてしまった。

伏黒はそれを活かせるプランを考えてくれたが、きっと心配かけたに違いないと申し訳ない気持ちになるなずなが謝ると、伏黒は少しだけ目を丸くした後に小さく息を吐く。


「驚きはしたけど、なんとなくオマエがああいう返事をするんじゃねぇかって思ってたから気にするな」



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