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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第36章 断章 傍迷惑な贈り物



カードを見た伏黒はうんざり顔でクッションを渡すように促す。

「今すぐ捨てる」

「で、でも貰い物だし、新品だよ……?」

ギュッとYESクッションを抱きしめて渋るなずな。
本人にそのつもりは全くないだろうが、別の意味に見えてしまう。

「なずな、どういう時にそれ使うか分かってるか?」

そう問いかけるとなずなはふるふると首を横に振る。

伏黒は大きくため息をついて、ゆっくりと彼女を抱き上げベッドに押し倒した。

「なら教えてやる」

「えっ、……えっ!?」

目を白黒させているなずなの前髪を梳いて、頬の輪郭をなぞり、柔らかく、しかし深く深く口づける。

「……ぅ、んっ……はぁ、」

伏黒の紺青の瞳に間近で見つめられ、ドキリと心臓が跳ねる。

ゆっくりと口内を犯される感覚に頭が痺れ始めたと思ったら、ふつりと途切れた。

そのすぐ後にコツンと額を合わせられる。

「……分かったな?」


この時、なずなはコクコクと頷くことしかできなかった。




……しかし、


「や、やっぱり捨てるのはやめない?」

いざゴミ袋を出してきた段階になって、なずなは尻込みしてしまった。

「こんな物置いておく訳にもいかねぇだろ」

「で、でも、五条先生に申し訳ないし……」

「……多分、こうなることを見越して送りつけてきてるぞ、あの人」

むしろ伏黒にとっては嫌がらせとしか思えないチョイスだ。

こんなクッションを寝室に置いていたら五条の顔がチラついて嫌だし、かといってリビングにも置けない。


だが、なずなの性格を考えると貰い物をすぐ捨てることには抵抗があるというのも理解できる。

自分はすぐにでも捨てたいが、なずなの気持ちに反することはしたくない。


どうしたものか、と少し悩んだ末に伏黒が出した結論は……



クッションにカバーを着けてYESを隠すというものだった。


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