第32章 断章 節分カルチャーショック
「じゃ、後は頑張ってね〜」
五条はヒラヒラと手を振って寮から出て行った。
「げ、撃退した……?」
「いや、撃退ってより先生の都合で出てったって感じじゃね?豆1つも当たってねーし」
刀を納めたなずなと虎杖が下に目を向けると、床一面に広がった大豆と落花生。
これは……
掃除が大変そうである。
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「痛っ!?あ、豆踏んだ!」
「虎杖くん、気をつけて。まだそことここと……あ、あっちにも落ちてる。スリッパ履いた方がいいかも……」
箒とちり取りで豆を回収するが、小さくて目立たない大豆は落花生に隠れてしまい、さながら罠のようになっている。
「ちょっと伏黒、大豆って掃除が大変じゃない!ピーナッツを見習え、この拾いやすいピーナッツを!」
「俺に文句言うなよ……」
豆の掃除に苦労した後はお待ちかねの恵方巻き、4人で仲良く東北東を向いて黙々と食べ始めた節分の夜である。
―了―