第32章 断章 節分カルチャーショック
「なぁなぁ伏黒、今年の恵方ってどっち?」
「東北東だ」
男子2人の会話を横で聞き、なずながふとカレンダーを見ると今日は2月2日。
「もう節分だね」
「明日は寮母さんが恵方巻き作ってくれるってさ」
節分といえば恵方巻き、そしてもう一つ、忘れてはならないのが豆まきである。
「せっかくだし豆まきもしようぜ、寮ならやってもいいかな?」
「あんま散らかさねぇこととまいた後の掃除もやれば大丈夫だろ」
「いくつくらい買おっかな〜」
そんな男子陣を野薔薇は鼻で笑った。
「豆まきで盛り上がるなんて、アンタ達ガキね」
「釘崎はやんねーの?」
「やるに決まってんじゃない。節分のメインイベントなんだから」
「やるのかよ!」
3人が盛り上がる中で唯一なずなだけ会話についていけない。
「……豆まき?」
畑に豆を蒔くタイミングなのだろうか?
でもそれを寮で行うというのは少しおかしい気がする。
それに畑に豆を蒔くなら掃除するというのも変だ。
そして翌日、三者が手にした豆を見てなずなの疑問は更に深まることになる。