第30章 断章 ご飯?お風呂?それとも……?
恵くんはこうしてくれた後、今度はもっと深く、奥に……
だが頭では分かっていてもどうしてもそこから先に進めない。
ためらうように舌を彷徨わせていると、伏黒に絡め取られ、奥に招き入れられた。
ちゅくちゅくとお互いの舌が絡む音と吐息にお腹の奥までじんと熱を帯びる。
「……ふっ、んっ、はぁ……」
羞恥が限界に達し、口を離すと銀糸が細く伸び、やがてぷつりと切れた。
それもなずなの羞恥をますます煽り、プシューと湯気が出ているのではと錯覚する程に顔が熱く、どうにもならなくなって伏黒の肩に顔を埋めた。
そんななずなの様子にまた一つ笑みが溢れる。
そうやって照れる姿も堪らない。
伏黒はなだめるようになずなの頭を優しく撫でて静かに問いかけた。
「もうギブアップか?」
伏黒の肩でコクコクと頷くなずなを抱き込み、腰掛けていたベッドにゆっくり押し倒す。
体勢が変わって一瞬キョトンとするなずなに軽く口づけ、彼女の耳元に顔を寄せて囁く。
「じゃあ次は俺の番だな」
熱を帯びた視線でなずなを見つめると、彼女は小さく、だがはっきりと首肯する。
その返事を皮切りに2人はひたすらに甘く濃厚な熱い夜を過ごした。
―了―