第27章 断章 明くる日のお話 ※
必死に理性を繋ぎ止めながら腰を進め、なずなの奥に届き、快感をやり過ごすようにフーッと息を吐くと、なずなが頬に触れてきた。
「恵くんは?……っ、恵くんは、ちゃんと気持ちいい……?」
「っああ、……悪い、俺も限界だ、動くぞ」
そう伝えるや否や腰を引き、最奥に届いていた己をギリギリまで抜くと、一気に沈めた。
中を満たしていた熱く硬いものが出たと思ったら、またすぐ打ちつけられる。
指よりも太いそれは容赦なくなずなの良いところを刺激する。
ベッドが軋む程の激しい律動になずなは快感の波に溺れ、我慢もできずに喘ぎ声を発し続けていた。
またも高みに上り詰めてしまいそうだ。
「あっ、あぁ、んっ、めぐ、恵くんっ」
行き場を失ったようにさまよわせた手をすぐに伏黒が掬い、指を絡めてくれる。
「っ、もうダメッ……ゃあッ、また、きちゃうっ」
「俺も、一緒に……っ!」
「ぁああっ!」
なずなが絶頂を迎えると同時に、堪えるように眉を寄せた伏黒の動きが止まり、中のものがドクドクと脈打つ。
グッと最奥に押しつけられ、より強く彼を感じる。
「恵くん、好き……!」
「俺もだ、なずな」
荒く呼吸しながらコツンと額を合わせ、軽い口づけを交わす。
そのまま2人はしばし絶頂の余韻に浸った。
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シャワーを浴びてさっぱりした後、2人は揃ってベッドに潜り、互いの手を重ねる。
明日からはまた別々の任務に就く。
忙しい日々のほんの合間にこうして愛し合えること、常に死と隣り合わせの呪術師にとって、それは奇跡のようで―……
「おやすみ、なずな」
「うん、恵くんもおやすみ」
この瞬間がずっと続いてほしい。
ささやかに願いながら、眠りに落ちていった。
―了―