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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第26章 断章 優しい優しい帰り場所



なんとか身を起こしたなずなだったが、目を開けていられないといった様子であっちへふらり、こっちへかくり、舟を漕いでいる。今にも睡魔に負けそうだ。


「ほら、肩貸してやるから」

諦める気がないのを見かねて手を貸してやり、洗面所に連れていく。










洗面所に着くと、なずなはおもむろに服を脱ぎ始めたので、伏黒は静かに扉を閉め、替えの下着と寝間着を取ってくる。



なずなが服を脱いで風呂場に入ったのを確認して、伏黒も服の裾と袖を捲って入った。


適温を確認して、シャワーを浴びせると、条件反射のように、なずなはノロノロと身体を洗い始めた。

伏黒はその間に髪を洗ってやる。




いつもは一緒に風呂に入ることも恥ずかしがるのに、今は眠気に負けかけているせいか、されるがまま。


惜しげもなく晒された柔肌にも新しい傷はなく、ひと安心だ。

なずなは自身の負傷であれば反転術式で治すことができるので、傷を残して帰ってくることはそうないと頭では分かっているが、それでも確かめずにはいられなかった。



泡をシャワーで流すと、今度は浴槽に手を掛けようとしたので、その手を取って制止する。


「なずな、それはやめとけ」


風呂好きな彼女のことだ。おそらくゆっくり湯船に浸かりたいのだろう。

しかし、今の状態だと十中八九寝こけて溺れてしまう。
少し心苦しいが、ここは我慢してもらわねば。


「……んぅ、……わかっ、た……」

多少抵抗されるかと思ったが、そんなことはなく、促されるままあっさりと風呂場から出た。


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