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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第23章 本領



「真希さん、津美紀を結界に連れてきてください」

「ん!?」

「なんだよ?」

「津美紀の姉ちゃんはもう泳者だけど、結界の外にいるんだよな?じゃあこのまま遠隔で点を渡して離脱してもらった方が安全じゃね?」

ついこの間まで寝たきり状態だったし何より転送の時にどこに飛ばされるか、虎杖のように上空から真っ逆さまなんてこともあり得る。

無事に着地できたとしてもこっちが見つける前に敵に襲われたらひとたまりもない。
でもそれに気がつかない伏黒ではないはず。

頭がこんがらがってきて脳が痒いと頭を掻く虎杖に対して伏黒は冷静に答えた。


「いや、それだと総則1と2に抵触する」

「1と2って何だっけ?」

「これだぜ」

すかさずコガネが総則を表示する。

1、泳者は術式覚醒後、19日以内に任意の結界にて死滅回游への参加を宣誓しなければならない。

2、前項に違反した泳者からは術式を剥奪する。


もし虎杖の言うように遠隔で100点を譲渡し、そこで回游から離脱しようとした場合、任意の結界で死滅回游への参加を宣誓しないことになる。

「最悪離脱が確定した瞬間、術式が剥奪されて死ぬかもしれない」

「ああー!よく気づくな!!」

「点も下手に長い間所持していると他の泳者に狙われるリスクが高まる。まずは津美紀と合流する。それが一番安全だ」



「了解、ただ私は一緒には結界に入れない。呪力がない私は結界に認識されないから、転送の時に津美紀と剥がされる」

真希の言葉に3人は顔を見合わせて苦い顔をした。

「……呪力があっても転送は別々でしたよ」

「き、気づいたら落ちてるって感じです」

「パラシュートあった方がいいっすよ」

「?」



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