• テキストサイズ

真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第1章 チェンバロ








退屈だ。







金にも男にも困ってない。
だからって毎日が有意義なものだとは限らない。








ずっと待ってる。
一晩中。








誰をって、モーツァルトを。
それもまだ、イタリア旅行へ行く前の、そう12歳の頃の。








若くして才能溢れる彼のその指に、
神童と呼ぶにふさわしい彼のその指に、
触れてもらえるのを待ってる。








チェンバロになって、そう、一晩中。








私の身体を、私の心を、
骨の髄から悦ばせてくれるような、そんな男を。








最初に言った通り、金には困ってない。
だから金も地位も求めてない。
ただただ私を悦ばせてくれる男を、待ってるの。








ほら、そんなふうに眠れない時ってない?








/ 225ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp