Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第57章 言語道断!
それから、和也と潤は。
それぞれが。それぞれのすべき事を考え、動き出しているのだと。 足りない情報を、それぞれが補って。助け合って……
翔禾姫、雅若、なずなを救い出す為、皆が一丸となって 戦っているのだと感じた……
「そなたは、 我々の為に力を貸すつもりはあるか?」
潤が、智の暗号を持って来た男に尋ねると。
「はい」
嘘の混じらない声音で答えた男に。
「あなたの元の仲間を捕まえて、殿様の元へ送り込む役目をして下さらぬか?」
「はい。 私も外喜の悪巧みを全て。お話しする覚悟でございます」
和也の言いたい事を瞬時に察した男が、そう答えると。
「私は、なずな の所へ行く!」
「私は、翔禾姫様と雅若様の所へ向かいます!」
(この男は信用出来る)
ボヤ騒ぎに、怖くなったのか何なのか…… ほとんどの者が政務の間から姿を消しているし……
(情けない……)
和也と潤は、 行儀悪いと思いつつ、チっと舌打ちをすると。
(必ずお助け致します! 翔禾姫様! 雅若様!)
(必ず助ける! なずな!)
和也と潤は、政務の間を飛びだし駆け出して行った!