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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第57章 言語道断!



(何だ?)


 一瞬戸惑った和也と潤だったが……

(智からか?)

(暗号ですね……)



《雅の夢吹き翔んだ? 翔禾姫と雅若か?》

《雅の夢吹き翔んだ? 翔禾姫様と雅若様?》


(楓禾姫様と湖紗若様の夢を……外喜が消そうとしている……涙されてっ)

(呼び出された? 外喜にっ!)



 和也は怒りで 体温がスッと下がるのを感じた……



(西の庭……西櫓《にしやぐら》か?)


(なずなが泣いてる…… 外喜めっ)



 なずなを拉致したのかっ?

外喜っ……許さぬっ。

怒りで 叫び出しそうになるのを抑えるので いっぱいいっぱいの潤だった……



『ボヤ騒ぎは潤様と、和也様をそちらの陣頭指揮に行かせようとする罠にございます! 早く姫様達をお助けにっ!』

(東櫓の火は……涙で吹き消された。引っ掛かるな! という事かっ)


 暗号を届けた男が、助け船を出して来たと同時に。

『翔希の方様よりっ! 東櫓のボヤ騒ぎはこちらで対処する! との事ですっ』

 音も無く背後から近付いて来た男……翔希の方と、陽が差し向けた使者のようだ……も。それに続いて。


 更に、暗号を持って来た男も。

『智殿が、 『こちらの見張りに、何かを仕掛けて御殿の方に入り込んできたゆえ。 お庭番に命じてあちらの見張りにも仕掛け返させておきます』 そう伝えてくれと、言い付かって参りました』

 交互に情報を伝えて来て。

 どうやら……暗号の男は

『ですから、遠慮なく戦いましょうね』

 智より、心の中の怒りまで預かって来たようだ……

 普段穏やかな智の起こらせたら怖い。恐ろしさを思い知ったのである。

(絶対に怒らせないようにしよう……)

 和也と潤は。 こんな時なのに、そんな事を思ってしまったのであった……


 
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